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個人年金保険に関する裁決事例 個人年金保険に関する裁決事例
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個人年金保険に関する裁決事例

2025.4.14 税務申告

保険料の負担者は、特に反証がない限り、原則として保険契約者と推定されますが、保険料の実際の負担者が誰であるかによって、課税関係には問題が生じる場合がございますので、今回は、過去の裁決事例から保険料の実質負担者がどのようにして判断されるのかということを説明致します。

 

 

■裁決事例:

 定期年金保険 保険契約者;子、年金受取人;子

定期年金保険に係る保険契約者及び年金受取人である請求人(子)は、子の固有収入から払い込まれたものであることから相続財産でない旨を主張するが、被相続人(親)の収入と比べて勘案すると、被相続人からの払い込みである旨が推認される。

よって、相続財産には含まれないが、年金受給権の発生時に、子が被相続人から当時贈与により年金受給権を取得したものとされ贈与税の課税対象とされた事例。

 

<考え方>

・税制上、「契約者」とは、名義上の「契約者」ではなく、実際に保険料を負担した人、つまり「保険料負担者」となります。

例えば、個人年金保険の加入に際して、契約者=子、被保険者=子、年金受取人=子として契約した場合でも、実際に保険料を負担しているのが親であれば、契約者=親、年金受取人=子となります。

 

・その場合、受け取る年金については親から子への贈与とみなされ、年金開始時点での年金の権利評価額が贈与税の対象となり、また2年目以降毎年受け取る年金が所得税(雑所得)の対象となります。

 

・名義上の「契約者」が実際に保険料を負担したのかどうかという実際の判断に当たっては、まずは負担能力の有無が問題になります。

 

・今回の裁決事例においては、支払保険料が高額、かつ、一時払い(1,907,952円)であることから、固有収入を勘案して、子が契約者ではあるが受取人の保険料は親が支払ったものと推認されました。

 

・別の裁決事例においては、確定申告時に保険料を支払ったことに基づいて生命保険料控除をしていたのは誰であったのかなど、過去、誰が保険料控除を計上していたのかなどといった取扱いは負担者が誰であるかを裏付ける証拠となったケースもあります。

 

・子の口座に保険料支払いのための出金がない、親の口座に保険料相当額が子から返金されたなどの入金がないなどと、客観的証拠がない場合も、保険料を負担していたとの申立てには証拠がないと認定されるケースもあります。

 

・保険料負担者が誰であるかを立証できるようにするための方策としては、例えば子の口座を実質的には親が管理している口座、すなわち名義預金として取り扱われないよう、子自身が通帳や印鑑を管理し、子自身の必要性に基づいて預金を利用したり、親子間で保険料相当額の資金について贈与契約を締結するなどといった方法が考えられます。

 

・そのために、(1)毎年贈与契約書を2部作成、 (2)毎年、親(贈与者)は子(受贈者)の銀行預金口座に現金を振り込み、かつ、その銀行預金口座から保険料を支払うようにする、(3)贈与した保険料については、親(贈与者)の生命保険料控除の対象としないという措置策も考えられます。

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